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ある看守と囚人のお話 [幸せに生きる]

ある看守と囚人のお話 

 子育てや人間関係に参考になるようなお話がありましたので、紹介します。

 ある刑務所の看守が、ひとりの囚人を受け持つことになりました。特別重要な囚人だから、しっかりと見張るようにと命令されたのでした。

 看守は毎日、独房のなかの囚人を見張ります。なにしろ特別な囚人です。逃がしたら大変ですから、看守は囚人には、なるべく自由な時間を与えたくはありません。

 看守には、ちょっとした仕草が逃げ出そうとたくらんでいるようにも見えますし、囚人が窓から外を眺めていれば、仲間に合図を送っているようにも思えます。
 看守は、夜、寝ているときにも目を離してはならないと思い、とうとう独房のなかで眠ることにしました。ひとときも気を許してはならないのです。どんなことがあっても大事な囚人を、いつも見張っていなければならないのです。

 やがて疲れ果てた看守は、囚人を見ながら、ふと思うようになりました。
 「あいつと私、本当はどちらが囚人なのだろう・・・」

 理想的な人間関係は、相手をただありのままに愛し、支えあうことができる関係ではないでしょうか。相手を信頼し、いろいろな経験を分かち合いながら、お互いの人生の目的地に向かってに協力しながら進んでいくことができる関係です。

 でも、多くの人は人間関係で悩みを抱えています。特に、愛する人との関係でストレスを感じていることが多いようです。

 その原因のひとつは、相手を「所有」しようとすることにあるのではないでしょうか。私たちは、愛する人を、自分だけのものにしたいという強い欲求を持っているようです。

 相手を大事だと思えば思うほど、その人を失いはしまいかと恐れが湧いてきて、相手の自由を束縛して、自分の望むように変えようとします。そして、相手が自分の思い通りにならないと、さらに相手にしがみついて「所有」しようとするのです。

 ところが、誰かを「所有」しようとすることは、自分が「所有」されてしまうことになるようです。つまり、相手に依存してしまうことになります。
そんな関係では、幸せを感じるカギは、自分ではなく相手のなかにあることになってしまいます。『
癒しのことば』より

思い当たることが
 これを読んで、思い当たることがありました。これは教室の子供達との関係です。
 いろんな子供達がいます。子供達を自分の望むように変えようとすると、思い通りになってくれない子もいます。そうなると、その子のことばかりが気になります。あらゆる手を使って、変えようとします。少し思い通りになるとうれしくなります。でも次の日にはもとに戻り、がっかりします。なかなか思い通りになりません。最後には疲れ果てます。

 しかし、第3者になって見てみると、振り回されているんですね。勝手に僕の方が、「所有」しようとし、その子に「所有」されてしまっています。やきもきしています。

では、どうすればいいのでしょう?
 最近の僕は、「子供達を信じることにしよう」としています。今はどんな状態でも、とにかく信じる。今の子供達をありのままに受け入れ、みんな「良い子なんだ」と信じること。人間には、良い面と悪い面の両面必ずあります。でもそんなすべてを受け入れた上で、みんなよい子だと思う。まず、僕自身が変わったのです。

そうすると、僕の中に変化がありました。
 まず子供達をおおらかに見られるようになったこと。
 気持ちがラクになったこと。
 多少のはみだしが気にならなくなったこと。
 ステキな部分が目に入ってくるようになったこと。

 ステキな部分がよく目に入るから、ほめ言葉もどんどん出ます。すると、不思議なことに、気になる行動もだんだん目立たなくなっていきました。

 最近思うのは、小さくても子供は一人の人間。看守のように細かいところまで注意し所有しようとすれば、子供達は縮こまったり、その窮屈さから逃れようとしたりします。

 逆に相手を信頼すれば、子供も信頼してくれる。その信頼感から子供達は良さを出し、見せてくれる。それがうれしくて声に出る。ますます良さを見せてくれる。良循環が生まれてきます。

 しかし、なかなかこのようにうまく考えられないときもあります。そんな時は、自分に余裕がないとき。まず、自分自身が満たされていることが大切なのでしょう。

おわりに 
 何のために生きているのでしょう?それは、この世界を生きることを楽しむため。せっかく生きてるんだもん。お互い楽しく生きていきたいです。

人に贈ることができるのは、自分が持っている愛だけだ。
愛を持ち続けるには、愛を与えるしかない」 
          エルバート・ハバード (アメリカの教育家)

 何かの参考になれば幸いです。今回も最後までありがとうございました。


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コメント 2

遠藤です。

なるほどと思えました。高校一年生の息子を持つまた、夏のNコンの娘の親です。息子が不登校となり、息子と真剣になれる時間を初めてもてたと感じることがあります。
ここの所お互いの気持ちを少しずつですが感じあえたかと思っていましたが、これが、先生の書かれていることの始まりでもあります。
少しずつ前に進むことを感じつつ、戻ることがあると難しいな~と思いつつあせり始める自分がわかり、あせる言葉を息子にかけてしまいます。
見守ると言いながら彼に前進する何かを求めているのです。
何度もこんなことを毎日繰り返しています。
まずは信じること。信じること。ですね。
by 遠藤です。 (2009-11-07 19:58) 

ムッシュ

遠藤さん、コメントありがとうございます。
お気持ち、お察しいたします。
でも、言えることは、今はどんな状況でも、絶対大丈夫ですよ。
これは、絶対に言えます。
なぜなら、遠藤さんのような温かい文章をお書きになるお子さんです。
本当に絶対大丈夫です。
このブログでも紹介しましたが、10代からの子育てハッピーアドバイス」。この本、参考になるのではないかと思います。
どうぞう気長に、乗り越えられてください。きっと後で振り返ると、良かったなあと思えるようになると信じております。
by ムッシュ (2009-11-08 03:53) 

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