人間、欲が先に出ると・・・ [合唱]
合唱団の練習では、毎回練習の様子を録音しています。
後で聞いて、子供達の歌声をチェックするためです。
同時に、自分の指導法についてのチェックも兼ねています。
今日の指導。かなり気合をいれてやりました。
というのは、Nコン県予選の出場校と出場順が決まったからです。
いよいよコンクールが現実味を帯びてきました。
今年の僕たちの目標はこうです。
聞く人に感動が伝わる歌を歌うこと。
単にきれいな歌ではなく、感動を作りたいのです。
しかし、コンクールとなるとどうしても他校を意識してしまいます。いつも以上に気合が入ります。
その指導の音声を聞きました。たしかに指導法はいいかもしれません。でも、やり直しや修正ばかりでほめ言葉が超少ない。反省しました。
こういう点で、指導の様子を録音し聞きなおすことは、自分のことが客観視でき、とても有効です。
話しはガラリと変わりますが、僕が毎月読んでいる雑誌「教育音楽」7月号に「合唱がうまい先生の指導術」という特集がありました。
録音を聞いた後、読んでみました。すると、横浜市立中沢小学校の松野鎭先生の実践記事の中に、ハッとするような言葉がたくさんありました。
松野先生は、一人一人と視線を交わす。(中略)子供達と視線を交わすことで、「先生は君達のことが好きなんだよ。嫌いじゃないよ」という信号も送れる。
自分は、こんなふうに子供達を見ていただろうか。ミスばかりさがしていなかったか。温かい視線だったろうか。
「褒め」と「ダメ」のバランスは10対1ぐらいにしています。
わ~~、まいった。僕の場合、逆でした。
こんなすごい先生なのに・・・褒めの方がう~んと多い。いや、すごい先生だからこそ、褒めの方が多いんだろうなあ。
その他にも、合唱指導に参考になるような箇所がたくさんありました。
理論だけで語っても、子供は歌わないですからね。歌い分ける時は、「これからいい例をやるよ」「これからわる異例をやるよ」という表情を大げさにするように意識しています。
いい例と悪い例を自ら具体的に見せています。これなら、わかりやすい。
・姿勢や視線も大事。「先生にビーム!」って感じでやってみるといい。
・目に力を入れると眉毛が上がる。眉毛が上がると高い声がきれいに出るんだよね。
・呼吸の練習。手をわき腹に当て「今押さえているところに、空気が入るように。」
その通りのことばかり、でも言葉かけが具体的でいいなあ。
こんなにすごい方なのに(だから)、その指導の方法は楽しく、温かく、具体的で、たくさんの工夫に満ちています。
猛反省し、その後、3年と4年生の音楽の出前授業では、ガラリと雰囲気を変えました。
まず、「褒め」と「ダメ」のバランスは10対1ぐらいにすること。指導の方法も具体的に。
未熟ながらも、自分なりに意識してやってみました。
すると、子供達がのってくること。のってくること。そして僕自身も超楽しい。
最後には、子供達が周りを取り囲み、握手を求めてくるほど。本当に楽しい音楽の授業になりました。
人間、欲が先に出ると楽しくありません。
やはり楽しさが一番です。身を持って体験できた一日でした。
明日の合唱団の練習では、音声が褒め言葉でいっぱいになるように、意識していきます。
合唱から足を洗った私も、校内合唱コンクールではクラスの練習を見ることはあります。
でも、これが結構スケベ根性というか、勝ちたい勝ちたいと思ってヘンテコな状況になっちゃうこともあって、そういうときは私はいつも「欲しいのは勝ちか?それともいい音楽か?」と言います。極端な話、自分たちの演奏がイマイチだったのに相手がコケて勝つというのより、自分達はベストの演奏をしたが勝てなかったというのの方が充実感はあると思うんです。
by shira (2011-07-12 20:43)
褒めたり叱ったり…とはよく言われますが,「褒めとダメのバランスが10対1」というのは始めて聞きました。なるほどと思います。今まで意識していませんでしたが,これからは意識して子どもたちにあたってみよう!
by 珠洲のまさ (2011-07-16 05:57)
shiraさん、いつもありがとうございます。
「欲しいのは勝ちか?それともいい音楽か?」と言います。
この言葉いいですねえ。いただきました。
へんてこな状況になったとき、使って見ます。(自分にも言い聞かせていきたい言葉ですね。)
by ムッシュ (2011-07-16 18:50)
珠洲のまささん、ありがとうございます。
表現を出していく合唱の場合、やはり、「褒めとダメのバランスが10対1」。これくらいがいいと感じます。ダメが多くなると、重苦しくなってしまいますから。そういう意味で、合唱指導は、良い所みつけの良いトレーニングになります。
by ムッシュ (2011-07-16 18:55)