藤原一秀先生の歌唱における発声指導 [合唱]
音楽グルメの会のパーティーには藤原一秀先生もいました。
藤原先生は、大阪のNコン課題曲講習会でいつも指揮をされていて、お顔はよく知っていました。
男の先生ということで、発声指導について伺って見ました。
藤原先生曰く、
「男だから発声指導が不利ではなく、男だから有利。」とニコニコされながら御話されました。
なぜですか?と聞くと、
「男は女性の声が出せないから、おのずと創意工夫が必要となる。そのことで指導力がついてくる。」
そんなお答えでした。元気がでてきました。
UIと発声させると良いと教えてくださいました。
Uは開口母音(口の中が広がっている母音)なので、まずこれで口の中をあけ、鼻に声を響かせます。
Iは閉口母音(口の中が広がりにくい母音)ですが、声がどんどん出る母音でもあります。
Uで開け、すかさずIの発声で飛ばす。その繰り返しで、口の中が開き、響きのある声が出しやすくなるそうです。
やってみると確かにそうでした。
それで、発声の感覚がわかったら、その声で、「こんばんは」とか「おはよう」としゃべらせてみるのだそうです。
口の中が開き鼻に響いていれば、アナウンサーのような響きのある気取った声になります。
そんな声でしゃべらせたり、歌詞を音読させるそうです。
それにメロディーがついたら、歌声になるように。
藤原先生の御話を聞いていると「音読と歌がリンクしている」ってことがよくわかりました。
歌の中でいい発声が聞こえたら、すかさずほめ、そこからその発声を他の部分に広げていくのも効果的だというアドバイスもありました。
更にこんな方法も・・・
一人一人、ある部分を歌わせます。
いい声をみんなで見つけます。
その音をみんなでまねするのです。
人間には真似する力が備わっています。
でも、その前に必要な力があるそうです。
それは、聞く力。
考えるとその通りです。聞く耳がないとまねもできないからです。
合唱はすごいことをやってるんですね。
まず、聞く耳でしっかりといい声を聞き、イメージを作る。そしてそのイメージを真似して発声する。
本当に奥が深いです。
女性の声が出せない僕ができることは、イメージを作ること。そこに工夫のしどころがあると思いました。
藤原先生の資料「歌唱における発声指導」には、指導のポイントがわんさか載っていました。
その中で僕が参考になった部分を、抜粋します。
声づくり
ものまねができる。
動物・犬・お相撲さんの声・赤ちゃんの鳴き声
◎発声の基本として
話し声と歌声の朗読ができる。
◎声づくりの合言葉
「良い顔!良い声!良い心!」
①顔づくり→ほっぺUP→まゆげUP
ウイウイ星人(UIの発声のことでしょう)
音程が取れない子・・・自分の出している音程がわからなくなっている場合は、先生などが音程をその子に合わせ、そこから上下に広げる。
指揮法
①指揮者の心がけ
・演奏者と指揮者の間に対話があること。
・歌唱では、顔の指揮が大切。
②基本的な指揮法
・姿勢(録画、鏡などでチェックする)
・予備拍と呼吸・・・自分から呼吸をし、歌い手に感じさせる。
・無駄ぶりをしない・・・振らなくて良い箇所はふらない。無駄の多い指揮は音楽を単調にする。
・曲の終わり・・・演奏者、聴衆者に「ありがとう」という気持ちで。止めてから少なくとも3秒以上味わう時間を持つ。
・顔で指揮をする・・・体全体で曲の表情を感じ取れるようにする。
・音の前に指示がある。・・・その音を出す前にイメージを伝える。
・F,Pが出せる指揮・・・普段は少し小さめに指揮を振るとよい。
③音楽表現と集中力(指揮者を見る習慣)
・集中力を高める指導・・・歌いなれた曲で指揮者が不意に音楽を止めたり、指揮ぶりをかえたりして、その変化についてくることができる習慣をつける。
・かまえ方と音楽表現・・・指揮者がかまえてから演奏までの時間は短いほど緊張感が高く、良い状態で演奏を高めることができる。
またまたたくさんの学びがありました。自分の引き出しの中身がどんどん増えていきます。
いつでも取り出せるように、取り出しては実践していきたいです。本当に感謝です。
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