ぼくミッキー [幸せに生きる]
帰りがけうちの教室をのぞいて帰る3人組の女の子がいます。1年生の女の子です。
ただのぞくのではなく、こんなことを叫ぶのです。
ミッキー!!こっち向いて!
僕のことなんです!?
一年生と言えど、女の子3人そろえば、かしましいものです。
僕が手を振りかえすまで、叫び続けます。
どうして僕がミッキーかというと、「いい声を出す秘密だよ」と言って教えたおまじないが原因です。そのおまじないとは・・・
ぼくミッキー
この言葉をミッキーマウスのモノマネで言ってみるのです。すると声が鼻腔共鳴し、きれいになるのです。
武田雅博先生に教えてもらったおまじないの言葉です。
二学期に一度、一年生の音楽の授業を教えさせてもらいました。その時のことを今だに覚えているのです。
あのときは、本当に楽しい授業でした。キラキラ星を教えました。「ぼくミッキー」のおまじないを教えたら、ガラリと歌声が変わりました。
あれ以来、ぼくはミッキーになってしまったのです。
ミッキーと似ても似つかない僕のことをミッキーと読んでくれる彼女たち、よっぽど「ぼくミッキー」のインパクトが強かったのかな。
今日も帰りがけ、ぼくのことを見つけた一人が手を振って、こう叫んでくれました。
「ミッキー、さようなら」