卒業式の歌、一時間目の指導 [合唱]
あと一週間で卒業式です。いよいよ今日から卒業式の全校練習が始まりました。
僕は今年も全校の卒業式の歌の指導をまかされました。
しかし、今年の場合、朝からとても緊張していました。というのは、教えることから遠ざかっているからです。毎日やっていることと言えば、介護に近いことばかりです。教えることの勘が鈍っているのではないか、という思いがありました。教える時間といえば、合唱団の時と、時々お願いされる音楽の出前授業ぐらいです。
更に、合唱団が解散して以来、最近「教える時間」は皆無に近いです。そんな状況の僕が、どこまで全校相手に指導できるか。
まさに新人に戻ったような心境でした。
今日の2限目が指導の時間です。教務による卒業式の心構えや座り方、立ち方、姿勢等の指導がありました。その後に僕の指導です。あっという間に指導の時間になってしまいました。
今日の僕のめあては、「山場で声が出るように」です。
3つのことを意識しました。
メリハリ(厳しさ・楽しさ)・テンポ感・ほめる
歌う歌は、「さようなら」です。教芸の6年生の教科書に載っています。
今日の指導を簡単に書いてみます。
一度歌ってもらう(1題のみ)
これは、今の状態を知り、指導のポイントをつかみたいことと、指導後の上達ぶりを子供達に認識してもらうためです。一時間目にはあえて一度歌声を聞きます。
目をつぶりイメージ
一週間後のこの時間は卒業式。どんな卒業式にしたいか?と問いました。
1.6年生やたくさんのお客さんがみんなの歌声を聞いて、涙を流すような感動的な卒業式。
2.声もあまり出ていない、よそ見も多い。口もあいてない。ねむたくなるような歌声の卒業式。
実際は目に見えるようにお話をします。2者択一をしてもらいました。
すると全員1番を選びました。(2者択一をさせるのは、ある先生から教えてもらった方法で、子供達は自分達で決めたという意識を持ちます。)
そのためには、5年生を新6年生。4年生を新5年生として扱います。君たちがリードしてすばらしい卒業式を作り、6年生を送りだしてあげるのです。
そう言って、指導をスタートしました。今日の練習では6年生はいません。今の4,5年生を、ずっと新5,6年生と呼び続けました。
僕には、卒業式の歌の指導を通して、子供達の心も、5,6年生へと成長させたいという思いがあるのです。そういうことも話しました。
そして、すべての指導を、僕→新5,6年→全校の順番で繰り返しました。
新5,6年にお手本になってもらったのです。
次のような指導をテンポ良く進めました。
起立→新5,6年→全員
姿勢(足 頭ひっぱられる 肩あげてストン)
発声→新5,6年→全員
山場・・・「よろこびを」の部分を歌う
僕→新5,6年→全員
実際、今の新5,6年生は、きれいな声をしています。山場の部分は最も気持ちよく声の出るところです。そんなところで、お手本を示してもらいました。未来の高学年、みごとにお手本を示してくれました。そしてその歌声は全校に広がりました。
更に、パワーアップするために、下のような方法をとりました。
全校を半分に分け、山場の部分「よろこびを」の歌合戦。
以下のようなポイントを示し、何度も繰り返しました。
1.声の方向を僕の手の平に
2.口をラッパに
3.お腹を使う。(つばめさんのポーズをして歌う)
回を重ねるごとによくなっていきます。その都度ほめます。
だんだん声が大きく響くようになりました。
そして全員で山場の部分を歌うと、すばらしい響きが生まれました。
すごい!!と言って、みんなで拍手をしました。
あとは、きれいに歌えばいいのです。
出だしの部分「すばらしい」
僕→新5,6年→全員の順に歌いました。
5,6年生のおかげで、きれいな声に変わりました。
そうやってもう一度歌うと、最初の歌とは大きく様変わりしました。
しかし2題目、3題目になると歌詞があやしくなって、山場の音量もダウンしました。これは、今後の課題です。
卒業式の歌の指導。時間が限られています。そこで、以下の2点に集中した指導でした。
1.山場を大きく響かせる
2.あとはキレイに
ドキドキものの指導でしたが、やりだすと夢中になり、時間を忘れてしまいました。やっぱり教えることって楽しいです。
あとで、ある先生に「勉強になりました。」って言ってもらえました。
また、何人かの子から「今度音楽教えに来て」って言われました。
帰りがけには、ぼくミッキーの1年生の女の子達から「先生、かっこよかったよ」っておほめの言葉をもらいました。
うれしかったなあ。
ドキドキモノで挑んだ卒業式の歌の指導、とっても気分良くおわりましたので、勢いで記事にしました。
誰かのお役に立てばようれしいです。