福井ソアーベ児童合唱団、最後の定期演奏会 第Ⅱ部 [合唱]
第Ⅱ部は、がらりと変わって自分達の好きな衣装での登場です。
着飾った団員。着ぐるみのような衣装の団員。様々な衣装。また私服の子も多くいました。お気に入りの服なのでしょう。
華やかな雰囲気になりました。でも、第Ⅰ部のユニフォームがあるからこそ、この衣装が華やかに映るんだろうなあと思いました。
第Ⅱ部は、「海外公演の思い出」というテーマでした。
プログラムを見ると、ソアーベ児童合唱団は、様々な国へ行っています。
中国・ブラジル・台湾・アメリカ・ニュージーランド・オーストリア・ハンガリー・イタリア・フランス・ドイツ
本当にうらやましいです。招待されたことも数多くあると聞きます。
団員たちによるそれぞれの公演でのエピソードが楽しかったです。
中国では、外で歌っていたところ、男先生が警察につかまってしまったという話。(すぐに釈放されたってことです)
ブラジルでは、「サンバ・レレ」という曲の中でサンバを踊り、本場の人たちを熱狂させたってお話。
台湾でどこでも大人気だった「天黒黒」(台湾童謡)は、おじいさんが釣ってきた魚のことで、おばあさんと言い合いになっている曲だってこと。
そんなエピソードと共に歌われる曲の数々。楽しい演奏会の様子が目に浮かぶようでした。
「草競馬」(フォスター作曲)アメリカ合衆国。「ワカタネ」(原住民マオリ族の歌)ニュージーランドと続きます。それぞれ、子供達の声を生かした歌声でした。振り付けが歌声を更に盛り上げていました。
亡くなった男先生は、それこそ一番にはしゃぎまわって、女先生やソアーベの団員たちとそんな国々を巡り歩いたのでしょう。本当に夢のようなすばらしい人生だと思いました。
オーストリアのウィーンで歌ったという「ミサ曲」(フォーレ作曲)では、ソアーベって、こんな歌声も出すのかって驚きました。とても澄んだ美しい歌声でした。この曲を大聖堂のようなホールで歌ったのでしょう。
そして、僕の大好きな曲「ラデッキー行進曲」(ヨハンシュトラウス作曲)が始まりました。ソアーベと手拍子を打つ観客が一つになりました。団員の皆さん、ノリにノッています。
この曲をソアーベは合唱でやってしまうのです。
この部では、坪口先生がいないことを忘れてしまうほどの明るい演奏でした。坪口先生の魂が団員一人一人の中で生き、会場全体がソアーベの空間になっていました。
第Ⅱ部の最後の曲「村まつり」、本当に最高でした。
ひょっとこを頭につけ、ソアーベの文字の入ったハッピ姿になった団員たち。
坪口先生のご子息である坪口昌恭さんが奏でる軽快なジャズピアノに乗せて、会場全体が祭り一色になりました。ステージを飛び出し、踊り回る団員たち。楽しい歌声と歓声!
その歌声を聞いているうちに、僕には、坪口先生が見えてきました。かつてこの曲で、坪口先生は、一番はしゃいで踊っていました。いたずらっ子のような笑顔で走り回っている坪口先生の姿が思い出されてきました。
また目頭が熱くなりました。
曲が終わった後、言葉にできない思いになりました。(つづく)
PS.以前にも紹介したのですが、ユーチューブに台湾公演の映像があったのでアップします。