卒業生の皆さんへ 音楽教師として最後の手紙 [合唱]
いよいよ明日、卒業式です。
僕は、在校生の歌の指導で、卒業生の歌の指導は、もうできません。
そこで、「旅立ちの日に」を歌う卒業生に、こんなお手紙を書いてみました。
卒業おめでとうございます。
どうぞ、多少音をはずしたとしても、家族や御世話になった先生、在校生のために気持ちの伝わる歌を聞かせてください。
でも、気持ちだけでは伝わりません。
朝、最後に歌の練習をすると思います。今先生が君たちにできることは、そんな歌を歌うため、最後の練習でやったらいいことをアドバイスすることだと思いました。そこで、こんなお手紙を書いてみました。
休みの間に、気持ちも声も出しにくくなっています。
そこで最初に、山場の「今、別れのとき~」から最後までの練習をしてみてください。
山場から手をつないで歌ってみてください。
「お~ぞらに」では、ぎゅーっと手を強く握り、仲間にパワーをあげてください。すると、そのパワーは、自分や仲間のお腹にたまり、気持ちの入ったすばらしい声が出るはずです。
ここが気持ちを伝える最大の場所です。
仲間を信じて、本気でやるのです。
本当の自分自身を出すのです。
気持ちが入るまで、何度もやるといいと思います。
この歌は山場(おーぞらに)で決まります。
ここが出るようになったら、最初から、一つ一つの言葉に気持ちをこめて歌ってみてください。
最初は、「白い光」が見えるよう、きれいにはじめてください。
あとは、言葉一つ一つの意味を考えながら歌ってください。。
特に気持ちの込められた歌詞は大切に歌ってください。
こころふるわせ 勇気 希望 夢
懐かしい いさかい 泣いた うれしさ 抱き合った
心から湧き上がる気持ちを。声の出し方や表情で表現していってください。
具体的には、
言葉の頭を強く言うこと。口をしっかりあけること。子音をしっかり発音すること。時にはお腹を使うこと。視線や表情。言葉に応じて、それらを行動にうつすことで言葉や気持ちはどんどん伝わっていきます。
卒業式の歌は、スーパーマーケットのBGMと違って、聴く方も真剣に集中して聴くものです。一生心に残る歌です。どうぞ、自分自身を出し切って、すばらしい歌声を大空高く響かせてください。
さあ、これから一生に一度しかない君たちのステージが待っています。高く高く飛び立っていってください。
成功を祈っています。
PS.本番の山場(おーぞら)では、手をつないで歌うわけにいきませんから、心の中で仲間の手を握っているつもりで、ぎゅーっと手に力をこめ、歌ってみてください。いい声が出ますよ。
いろいろ厳しいことを言ったけど、君たちはすばらしいです。自分自身を大切にし、幸せになってください。
いよいよ明日、旅立ちの日です。