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音楽が苦手でもできる楽しい授業!?その2「歌のコーナー」  [授業]

  一時間を3つから5つのコーナーに分けて行なうこと。それが、音楽の授業に変化を持たせ飽きさせない工夫です。

1.準備運動のコーナー
2.歌のコーナー
3.器楽のコーナー
4.(歌のコーナー)
5.(遊びのコーナー)

 今日は、3番目の「歌のコーナー」について書いてみます。
 これについては、書きだすときりがありません。しかし、音楽が苦手でもできるという観点で書かせていただきます。

 音楽が苦手な教師にとって、一番楽ちんで、効果があるのは、ズバリ範唱CDを使った指導だと思います。
 教科書には必ず、教材用CDがあります。その歌唱CDを使って歌わせるのです。

 教科書以外の曲で指導される先生もいますが、教科書にも良い曲はたくさんあります。
  また、教科書には楽譜が載っていて、教材用CDもついているので、音楽が苦手な先生は教科書の歌を歌わせるのが一番いいと思います。

うちは、教育芸術社の教科書ですが、たとえば、
3年生だと「友だち」
4年生だと「歌のにじ」
5年生だと「ビリーブ」
6年生だと「つばさをください」
など、はじめの方に良い歌が載っています。

 最初は、メロディと歌詞を覚えるために範唱CDと一緒に歌わせます。

  慣れたころになったら、こう言います。
「CDの歌声をマネして歌ってごらん。」
 子どもたちはマネの名人です。CDと一緒に歌わせると自然に良い歌声になっていきます。
   これは、合唱団の経験からも言えます。良い歌声の中で歌わせると、初心者でもグングン上達していくのです。
 教室で聞かせることのできる一番のお手本は、教材用CDの歌声です。最初は大きめの音量で、一緒に歌わせます。

 先生は、この間、子ども達一人ひとりの間を歩き回り、声をかけていきます。
「いい声だね」
「いい表情だ。」
「いい顔で歌っているよ。」

 自信のなさそうな子もいます。でも・・・
「それでいいんだよ。」
「その調子。」
 どんどんほめ、そして勇気づけていきます。

 歌の指導というと、全体体導っていう感じになりがちですが、この「歌のコーナー」で、一人一人とのつながりを持ち、自信をつけていきます。ソアーベの坪口先生がやっていたことです。
 歌の時間の教師の役割は、一人ひとりが自分を出す手助けをし、いい気持になってもらうということです。そしてこれは、ピアノの弾けない教師だからできる指導です。

 ある程度歌えるようになったら、カラオケCDで歌わせます。そこで子どもたちの歌声がわかります。

 良いところが必ずどこかにあるはずです。
その良い部分をとりあげ、こう言います。
「そこうまいからもう一回歌って」
その部分だけ、CDなしで歌ってもらいます。

 経験的にさびの部分が、良い歌声であることが多いです。
 子供達だけで不安そうだったら、先生も一緒に歌ってあげるといいです。

「うん、うまいなあ。もう一回」
「今度はその声を教室の黒板の上に飛ばして」
「すごい。今度は、教室の外のあの山までとばして」
そうやって、うまい部分をどんどん響くように磨いていきます。

 良い部分が一カ所でもあれば、歌はよくなっていくものです。人もそうですよね。いい部分が一か所でもあれば、他の欠点はめだたないってことありますよね。

「うまいなあ。君たちは本当に歌がうまい」
 そうやって、心からほめます。うまい部分をほめるのですから、お世辞ではありません。こんなふうに、子どもたちに自信をもってもらうようにしています。(でもこれは、初級レベルではないかもしれません。)

 さて、「大きな声だけど、地声で乱暴な歌い方」って場合もあると思います。そんな場合は、以下のような指導をします。

保育所の子どもになったつもりで歌ってごらん。
 乗りの良いクラスだったら、地声で超乱暴に歌います。
「君たちは、保育所のまねがうまい。」とほめます。

今度は、中学生になったつもりで歌ってごらん。
 子どもたちは、すまして歌います。裏声で歌う子もいるかもしれません。きれいですが線の細い歌声になります。「う~んきれい!うまいねえ!!」とほめます。

 最後にこう言います。
一学年上になったつもりで歌ってごらん。
 すると、子ども達、良い歌声になることが多いです。

 その声の違いは、のどの奥をどれだけ空けているかの違いです。
のどの奥を空けず奥歯をくっつけて歌うと保育園児風の歌い方になります。
のどの奥をあけて、裏声で歌うと中学生風の歌い方になります。
以前はこの中学生風のの指導をしていましたが、声が飛んでこないので、今はしていません。今はその中間です。(これ以上書くとマニアの世界に行きそうなのでやめておきます。)
 ポイントは奥歯です。奥歯をあけて歌うようにすると、地声でも、聞き心地のいい声になります。

 これらは、苦手な先生でもできそうな良い歌声にする指導ですが、たとえ地声でも、子ども達が楽しんで歌っていれば、それでいいと思います。大切なのは、声をだして歌を楽しむこと。それが一番大切なことだと思います。極端な事を言うと、子どもたちが楽しんでいれば、何の指導もせずに、次々といろんな歌をうたってもいいと思います。大人のカラオケってそういう世界ですよね。
 大切なのは、歌が大好きで、どんどん声をだす。そんな自信と意欲に満ちた子供達になってもらうことだと思います。

 実は、声をきれいに整えるって、そんなに難しいことではありません。それよりも難しいのが、歌嫌いになっている子供達の声を出させることです。

 だからこそ、歌のコーナーでは、良いところをどんどん見つけほめていく指導!歌うことが好きになってもらうような指導が大原則だと思います。

〇まとめ
・一番楽ちんで、効果があるのは、範唱CDを使った指導。
・「CDの歌声をマネして歌ってごらん。」が歌声を良くする。
・先生は、子ども達一人ひとりの間を歩き回り、どんどんほめていく。
・歌の中で良い部分をどんどん伸ばす。(長所伸展法)
・子どもはモノマネ名人。一学年上の歌声でうたってごらん。
・歌のコーナーでは、良いところをどんどん見つけほめていき、歌うことが好きになってもらうような指導が大原則。

PS.できたら、歌詞カードは、大きめに印刷し、目に見えるところに掲示しておくと、子供達は姿勢良くうたうことができます。(教科書を見ながらだと、どうしても下を向いて歌ってしまいます。)

 また、音楽の時間に歌っている歌を図工や朝の会、帰りの会、給食の準備などの作業時間にBGMとしてかけておくといいです。CMソングを覚えてしまうように、子供達は自然にその歌詞やメロディーに親しみを覚え、知らない間に覚えてしまうことがあります。廊下で口ずさんでいる子が出てくるかもしれませんよ。

 色々書きましたが、歌の指導はそれこそ山ほどあります。自分が楽しめ、自分にあった方法をお試し下さい。


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