声が飛ぶ秘密を知りたくて。合唱団見学 [合唱]
今日は、ある合唱団の練習を見学に行きました。
団員の数が20数名。中には一年生もいると聞きます。
でも、ステージでの歌声は、30数名の歌声に負けていませんでした。
会場全体に声が飛んできました。体全体を使って歌う子ども達。その時僕は心がふるえました。
その歌声の秘密が知りたくて、無理にお願いし、見学させていただきました。
見て、その理由がわかったような気がします。
それに見合う練習をしているのです。
指導者は男の先生でした。昔、合唱をやられていて、それはもう素晴らしい声でした。裏声でなくご自身の男性の歌声で指導されていました。
僕が一番ビックリしたのは、練習時間の長さです。3時間半の練習でしたが、1年生もいるのに、その中で休憩は1回。つまり、1時間半以上ぶっ続けで練習していたのです。
その練習内容も妥協のないものでした。
とても高いものを求められていました。
指導の中で印象に残った言葉がたくさんあります。
息が手足の先まで行き渡るように吸う!
目と目の間から声を出す。
同じ方向へ同じ力を出したら強い。
身体全部使って声を出す。
お腹から出す。
遠く向こうに伝える。
それも先生自身が迫力のあるお手本を示され、歌の中でそれを要求します。
先生の基準の中で満足のいくまでやり直しが続きます。
あ~、この指導なら、声が飛ぶようになるなあと感じました。
それは、決して妥協しないこと。
高い音楽を求めることでした。
それに一生懸命ついていっている子ども達。
最後の5分ぐらいになると、僕は泣きそうになりました。
でも、指導者の先生のすごいのは、低学年の子ども達がいるのにも関らず、このような練習をしているということです。低学年の子ども達もがんばってついてきていました。そして最後までニコニコした笑顔を見せていました。
秘密がありました。
それは、歌と歌の間のトークです。迫力のある声で、個々の子ども達と関りながら、いろんな例えで楽しいお話しをされていました。それが、長い時間の練習を飽きのないものにしてるんだろうなと思いました。
また、先生ご自身の聞く耳です。これはいい。これは良くないと瞬時に反応され、そのあと具体的なアドバイスをされ、また実演しながら、反復練習していきます。
結局、自分自身の耳を鍛えていくことが大切なんだろうなあと感じました。
全国レベルのある先生は、地方大会の音源まで、くまなく聞いていると聞きます。
自分自身の力量。結局それにつきます。
そのためには、いいもの聞き、音楽センスを高めていくことです。
また子ども達の歌声を引き出すためには、まず自分自身ができるようになる必要があると感じました。
迫力のある声で、一生懸命子ども達に接する先生。それに応える子ども達。
昨年までは、これを毎日、午前・午後とやっていたと聞きました。
驚きました。
今日の練習を見て、熱く練習されている先生や子ども達がたくさんいることを知りました。
とても刺激になりました。上達に早道というものはなく、足元をしっかりと見据え、一つ一つ地道に練習していくことの大切さを学びました。
本当に心から感謝します。ありがとうございました。