あいさつ、されどあいさつ [合唱]
今まで合唱団では、僕自身テンションを高め、明るいあいさつに心がけていました
とにかく大きな声で、笑顔で、先にあいさつするのです。
そのことで、僕の様子を見た団員たちが真似をしてくれないかなという期待がありました。
しかし、これは期待であって、強く要求したことはありませんでした。僕の背中を見て欲しいなあと思っていたのです。
しかし、最近は、黙って音楽室に入ってくる子。あいさつをしても、小さく返事を返す子。あるいは目をそむけて嫌そうに見える子もいます。
そこで、今日は、団員たちに今のあいさつの状態について、これでいいのか。そしてこれからどうしたいのか、話し合ってもらいました。
グループごとに話し合ってもらったところ、どのグループも、今の状態はよくないと言いました。そして、今度から、自分から積極的に明るいあいさつをしていきたいと言います。
一方で僕には、こんな思いがあります。
合唱団の子ども達は朝早く起きて、みんなより先に学校に来ています。それだけでも、大変なのに、あいさつまで強く要求するのは、申し訳ないなあという思いです。。
でも、もう一つの思いとして、せっかく入った合唱団で、あいさつのできる子に育って欲しいという願いがありました。更に言うと、あいさつは、表現の基本の部分です。自分からあいさつできることが自分を出すことにつながます。そして、いい歌声へとつながっていくものだと思っています。
だから今まで、団員たちにはあいさつの大切さは話してきましたが、それを強く要求することなく、自然な形で、あいさつが日常のものとなるよう願いながら自分が実践して見せていたのです。
学級なら、こういうことで悩んだりしません。もっと強く要求していたでしょう。
しかし、自主的に入っている合唱団となると違います。別にあいさつしなくたって、歌だけ楽しむことはできます。
でも、それでは、僕自身、くっつりしません。
そんなことを考えていると、今日の朝練での話し合いを子ども達はどう受け取ったのか、知りたいと思いました。
そこで、長休み、団長・副団・書記を呼んで聞いてみました。本音を言って欲しいということで、言ってもらいました。
すると、どの子も、「当たり前のことを言っている」と言ってくれました。
何がいいのでしょう。教師を長年やっていると、だんだんわからなくなってしまう部分が多くなってきているように思います。
一番大切な事は、僕自身や子ども達が楽しいことです。
顔を見ても、あいさつもしないで、しら~っとしているのは、楽しくありません。
でも、あいさつをしないからと言って、ガミガミしかるのも楽しくありません。
行ったり来たりしながら、今の子ども達と一番気持ちよい部分を選んでいくのがいいのかもしれません。